この記事の3行サマリー
- ノーコードツールで作った当社サイトのGEOスコアは、当初わずか13点でした。
- サイトを作り直し、効く施策を順番に積み上げた結果、約5ヶ月で94点(Aランク)に到達。
- 何を、どの順番でやったか——中小企業がそのまま真似できる手順を公開します。
出発点は「13点」だった
当社の最初のサイトは、ノーコードツール(プログラミングをせず、画面操作だけでWebサイトを作れるサービス)で手軽に制作したものでした。見た目は整っていましたが、GEO(生成エンジン最適化)の観点で診断すると総合スコアは13点。人が読めば分かることも、AIから見れば「何をしている会社か、誰が運営しているのか」を事実として取り出せない状態だったのです。
GEOとは、ChatGPTなどの生成AIに自社の情報を正しく読み取ってもらい、回答の中で紹介してもらうための取り組みです。その考え方そのものは、当社コラムGEO(生成エンジン最適化)とは?SEOとの違いと、中小企業が今こそ取り組むべき理由で解説しています。
そこで、生成AI向けの最適化(AIO/GEO)を事業にしている当社自身が、まず自社で試すことにしました。サイトをClaude Code(AIに日本語で指示してプログラムを書いてもらう開発ツール)で作り直し、本気で改善に取り組んだ結果、約5ヶ月で94点(Aランク)に到達しています。
スコアの推移
| 時期 | 総合スコア | 転機となった施策 |
|---|---|---|
| ノーコード期 | 13点 | ——(AI向けの対策がゼロの状態) |
| 5月下旬 | 42→47点(C) | 実績の数値を掲載、見出しの整理 |
| 6月上旬 | 72点(B+) | AIに読み取りを許可する設定へ修正(+19点) |
| 7月上旬 | 91点(A) | ページ情報の「事実」の書き添えを全面実装、記事を追加 |
| 8月〜 | 93→94点(A) | AI向け案内ファイルの拡充、更新頻度の維持、実績の見える化に着手 |
ポイントは、大きな一発の施策ではなく、効く順番に積み上げたことです。以下、実際にやったことを段階順に紹介します。
フェーズ1:AIに「読んでもらえる状態」をつくる
最初にやるべきは、AI各社がWeb上のページを自動で読み集めている巡回プログラム(クローラー)に、サイトを読める状態にしておくことです。
- 読み取り許可の設定(robots.txt)の見直し:robots.txt とは、サイトの入口に貼る「ここは読んでよい/だめ」という張り紙にあたるファイルです。当社は知らないうちにAI系のプログラムを拒否していました。これを明示的に「読んでよい」へ変えただけで、スコアが19点跳ねています。最大の転機はここでした。 現在はSNSやメッセージアプリのプログラムまで許可を広げています。
- AI向け案内ファイル(llms.txt / llms-full.txt)の設置:サイトの要点をAI向けにまとめた案内文のファイルです。全サービスの料金と500社超の実績を1か所に集約し、更新を続けています(現行v1.3、約25KB)。
教訓:どんなに良い記事も、読まれなければ0点。 まず「AIが読める状態か」から確認する。
フェーズ2:会社やサービスの事実を、AIが誤解しない形で書き添える
Webページには、本文とは別に「会社名はこれ、所在地はこれ」と機械向けに事実を書き添える欄があります(構造化データ/JSON-LD と呼ばれる書式)。AIは本文よりもこちらを優先して事実と受け取るため、ここを整えると認識が一気に正確になります。当社が書き添えたのは次の4つです。
- 会社の基本情報:会社名・ロゴ・所在地・設立・社員数・公式SNS
- サービスの情報:Scale人事評価・Scale Works・セミナー・補助金申請支援を、それぞれ何を提供するものかまで明記
- よくある質問と回答:実際に検索されている質問に合わせて用意
- 記事の情報:サイト内のどの階層にあるページか、誰が書いた記事か
これにより「誰が・何を提供している会社か」を、AIが正確に取り出せるようになりました。
フェーズ3:記事を「引用されやすい形」に整える
- 各コラムを、1記事2,000字以上・見出しは3段階まで・よくある質問・問い合わせ導線という型に統一。
- 記事の冒頭に3行サマリーを置くことを標準化(この記事の冒頭のような形式)。
- 毎月の新規記事を継続公開し、AIに読まれるページそのものを増やす。
フェーズ4:「人と実績」で、技術の先の伸びしろを取りにいく
技術的な施策は、一度整えると天井に達します。その先で点数を伸ばすのは、「誰が、どんな実績でやっているのか」を見える形にすることです(検索やAIの世界ではこれをE-E-A-T=経験・専門性・権威性・信頼性と呼びます)。当社がいま取り組んでいるのは以下です。
- メンバー/著者の一覧ページをつくり、どの記事を誰が書いたかを紐づける
- 登壇・出展・受賞をまとめたページ(DXPO東京・HR EXPO などの実績)
- 導入事例を「課題 → 打ち手 → 結果」の順に、数値つきで本文に書く
- 生成AIが当社をどれだけ引用したか、毎月チェックする
最後に差をつけるのは、地道な実績の言語化です。
この事例から中小企業が学べること
- 順番が重要:AIに読める状態にする → 事実を書き添える → 記事を増やす → 実績を見せる。
- 最初の一手は読み取り許可の設定:費用がほとんどかからず、最も効くことが多い。
- 一度で終わらない:スコアは運用と更新で維持する。月に一度は見直す。
よくある質問(FAQ)
Q. ノーコードのままでもGEO改善はできますか? A. 一部は可能です。ただし、事実の書き添え(構造化データ)やAI向け案内ファイルのような細かい設定は、ツール側の制約で触れないことが多くあります。当社はサイトを自前で作り直したことで、自由に実装できるようになりました。
Q. 13点→94点にかかった費用は? A. 自社で実践したため、主に社内の作業工数です。外部に依頼する場合も、まず現状を診断して優先順位を絞れば、費用の低い施策から順に着手できます。
Q. うちのサイトは今何点なのか知りたい。 A. 現状の確認からお手伝いできます。どこがAIに読まれていないのか、何から着手すべきかを整理してお伝えしますので、お気軽にお問い合わせください。
まずは自社の現在地を知ることから
「13点」からでも、正しい順番で積み上げれば「94点」に届きます。大切なのは、感覚ではなくスコアで現在地を測り、効く施策から着手することです。
この記事で紹介した施策は、すべて当社が自社サイトで実際に試し、効果を確かめたものです。「自社サイトが今どういう状態なのか分からない」「何から手をつければいいか決められない」——そんな段階からのご相談で構いません。現在地の確認と優先順位づけから、実際のサイト改修まで、カラフルボックスがお手伝いします。お気軽にお問い合わせください。